Clinical Challenges in Diagnosis, Tumor Localization and Treatment of Tumor-Induced Osteomalacia:Outcome of a Retrospective Surveillance

2022年6月4日

論文

大学院生の日髙尚子先生の論文がアメリカ骨代謝学会の機関誌 J Bone Miner Resにアクセプトされました。

日本内分泌学会、日本骨代謝学会会員にアンケート調査を行い、本邦での腫瘍性骨軟化症88名のデータをまとめたものとなります。

初発症状からFGF23関連低リン血症性骨軟化症の診断までが平均3.4年。初診診療科では整形外科が最も多く次いで一般内科/総合内科、アレルギー・リウマチ内科。誤ってつけられた診断名として多いのは骨粗鬆症、脊柱管狭窄症、大腿骨頭壊死、線維筋痛症、骨転移など、本疾患の関連診療科での啓発が依然遅れていることを示し、またいずれの診療科に対して啓発活動を進めるべきかを確認することができました。

また前向き比較試験ではないのですが、原因腫瘍の局在診断が困難な微小腺腫の同定に有用な検査が、残念ながら本邦で保険適用のないDOTATOC-PET/CTとFGF23全身静脈サンプリングであることが予想される結果でした。腫瘍が見つかった際の術式として掻爬術などの拡大切除以外では生化学的寛解率の低下や、局所/転移再発との関連が強いこと、手術ができなかった症例においてブロスマブは手術と比較的近い生化学的改善をもたらす可能性など、腫瘍性骨軟化症における実臨床での重要な参考所見や注意事項も本検討にて浮き彫りになったかと思われます。

さらに4例の遠隔転移例の詳細や、肺癌、前立腺癌、胃癌からのFGF23産生が疑われる5症例の詳細についても記載しております。

ご多忙の中で本アンケート調査にご協力頂いた日本内分泌学会、日本骨代謝学会の先生方に心より感謝いたします。

日髙先生、骨代謝領域トップジャーナルのアクセプトおめでとうございます!

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