2021年10月12日
大学院生の日髙尚子先生の論文が、Bone Reports誌にアクセプトされました。
腫瘍性骨軟化症として紹介された成人FGF23関連低リン血症性骨軟化症の2症例が、現腫瘍は確認されず禁酒によりFGF23とリンの正常化を認めました。このことから非常に稀ではありますがアルコール摂取によりFGF23関連低リン血症が誘発される、「アルコール誘発FGF23関連低リン血症性骨軟化症」という病態が存在するということを提唱させて頂きました。
これにより後天性のFGF23関連低リン血症には「腫瘍性骨軟化症:TIO」、「静注鉄剤誘発 FGF23関連低リン血症性骨軟化症 」、「アルコール 誘発FGF23関連低リン血症性骨軟化症 」の3つが存在することになり、いずれも当研究室で最初に報告させてもらっております。
従って、今後後天性に FGF23関連低リン血症性骨軟化症 を疑う症例に遭遇した場合は、まず静注鉄剤の使用歴を確認し、飲酒者では禁酒を試みて頂くことで後ろの2者を除外診断し、不要なFGF23産生腫瘍検索のための検査を避けるように心がけて頂ければと存じます。