2023年1月5日
研究室助教の加藤創生先生の論文が米国内分泌学会機関誌 The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism(JCEM)誌に掲載されました。
X連鎖性低リン血症性くる病などのくる病・骨軟化症では低回転骨となり骨や歯の微細損傷の回復が遅れるため、骨粗鬆症に対してビスホスホネートやデノスマブを長期に使用した際と同様に非定型骨折などの荷重骨の非横断性骨折や根尖性歯髄炎、顎骨骨髄炎(顎骨壊死)とそれによる歯の喪失が多いとされていましたが、具体的なデータを示す報告があまり存在していませんでした。今回当院通院中30例のXLH症例において詳細な歯科的評価を行い、本邦の一般集団と比較することで上記XLHの歯科合併症の頻度を明らかとしたものとなります。
また活性型ビタミンDや経口リン製剤による早期治療開始(5歳未満より)が、歯科合併症や靱帯骨化に及ぼす効果も同時に検討しています。歯科合併症に関しては早期治療介入が改善効果を示したものの、靱帯骨化に関しては改善効果を示しておらず、靱帯骨化に関しては血中リン濃度によらない発症機序が示唆されました。
加藤先生、JCEM3報告目アクセプトおめでとうございます!