2021年10月20日
大学院生の加藤創生先生の論文がIntenational Journal of Endocrinology誌のアクセプトされました。
低ホスファターゼ症に対して、酵素補充薬であるアスホターゼアルファを使用している3名において、特定の検査試薬により甲状腺機能(fT3, fT4)が見かけ上低値なっていました。
その分子的メカニズムを探る検討を実施し、測定キット中の一次抗体が結合している磁性ビーズにアスホターゼアルファが直接結合していること、またアルカリホスファターゼの酵素活性を利用した競合アッセイであったため、磁性ビーズへのアスホターゼアルファの結合によりアルカリホスファターゼの酵素活性が高まり、見かけ上のホルモン値(fT3, fT4)の低下を呈するといったこれまでに報告のない機序による検査系への干渉様式であることを報告しました。
甲状腺機能は一般的に測定機会が高く、低ホスファターゼ症症例でも測定される可能性があると思いますので、異常値が出た際の解釈にはご注意頂ければ幸いです。
またその他のALP用いたアッセイ系へのアスホターゼアルファの干渉も予測されるため、 アス ホターゼアルファを使用中の症例ではご留意頂ければと思います。