Prevalence of Comorbid Hyperparathyroidism and Its Association with Renal Dysfunction in Asian Patients with X-Linked Hypophosphatemic Rickets/Osteomalacia

2025年3月12日

論文

成人のX連鎖性低リン血症性くる病(XLH)患者さんを多く診療していると、経口リン製剤や活性型ビタミンDを比較的多く使用されている方が、リン負荷による3次性副甲状腺機能亢進症を発症し、それに引き続いての高カルシウム尿症、高リン尿症によって惹起される尿濃縮力障害から腎前性腎不全を繰り返して、慢性腎臓病が進展していくということがよくわかります。しかしそれは希少疾患症例を多く診療する立場にいるから気付けることであり、多くのXLH患者さんが3次性副甲状腺機能亢進症の発症や、慢性腎臓病の進展にあまり配慮されずに経口リン製剤と活性型ビタミンDで治療されているという現状を長らく懸念しておりました。

そこで、現在日本と韓国の20施設において200名以上のXLH患者さんに参加して頂き進めている国際前向き観察研究SUNFLOWERのdataを用いて、3次性副甲状腺機能亢進症を起こした症例で明らかに慢性腎臓病が進展しているということを示した自身の論文がEuropean Calcified Tissue Societyの機関紙であるCalcified Tissue International誌にアクセプトされました。

本論文を通して、 従来の 経口リン製剤と活性型ビタミンDによる低リン血症性くる病・骨軟化症の治療に際しては、3次性副甲状腺機能亢進症の発症やそれに引き続く慢性腎臓病の進展に細心の注意を払う必要がある、ということが関係する医療従事者や患者さん広く伝わることを願っております。

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