2023年7月3日
当研究室助教の加藤創生先生に執筆してもらったOPLLやDISHの遺伝的要因に関する総説がCurrent Osteoporosis Reportsに掲載されました。
我々の研究室では機能低下型ENPP1バリアントをOPLL症例にて確認しており、一部の特発性OPLLではENPP1の機能低下型バリアントが ENPP1やDMP1の機能低下型バリアントのホモ接合/複合ヘテロ接合、ACVR1の機能亢進型バリアントのヘテロ接合、PHEX遺伝子の ヘテロ接合 /ヘミ接合などと言った単一遺伝子疾患の原因病態と、その他の疾患感受性性遺伝子などの影響のちょうど中間程度に靱帯骨化傾向に影響していると考えております
このような比較的強い靱帯骨化傾向をもった方々が、運動や体重による靱帯/腱への付加などを介して実際にOPLLやDISHを発症するのではないかと予想しております。
OPLLは特に東アジアで多い疾患で、典型例では脊柱管狭窄症などによりADLが著明低下する疾患です。今後本疾患に関して研究が進み、病態がより深く解明され治療薬開発などに繋がることを期待しております。